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機動戦士ガンダムSEED DESTINY 男女逆転物語
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「キラ」
ラクスがバルコニーの人影に声をかけた。
キラは手すりに寄りかかり、空を…宇宙を見上げていた。
ブレイク・ザ・ワールド以来、太陽も月もなかなかその姿を見せてくれないが、今宵は久々に月の光が弱々しく降り注いでいる。
キラはラクスを振り返って微笑んだ。
ラクスはゆっくりと歩み寄り、隣にやってきた。
「戦争が始まったよ」
「うん…」
だから眠れない。
あそこで、また誰かが誰かを殺していると思うと、眠れない…

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閣議続きで眠れなかったカガリもまた、執務室でニュースを見ていた。
データはひっきりなしに更新され、デスクは書類で一杯だった。
「昨夜行われた地球連合軍によるプラントへの攻撃は、ザフト軍の激しい抵抗に遭い、双方に甚大な被害が出た模様です。現在軌道上において、両軍睨み合いの状態が続いており…」
プラント駐在の外交員に通信をしようにも、回線がつながらない。
逆にオーブのプラント駐在員を呼び出そうにも不在の報せばかりだ。
反面、大西洋連邦からは矢のように面会の申し出が続いている。
(なんとかデュランダル議長と直接話したいんだが…)
カガリはアスランの番号を指にかけたが、躊躇した末、やめた。
(あいつにはあいつの考えもあるだろう…)
「とにかく何でもいいから情報を集めろ。スカンジナビアにも連絡を取れ」
連邦の外交官には何度目かの断りを入れさせて、カガリは扉を開けた。

「核攻撃を!?」
ようやく会えたデュランダル議長の執務室に通されたアスランは、そこで地球軍が再びプラントに核攻撃を仕掛けてきたと知った。
「うん」
議長は頷き、ニュースチャンネルに合わせて映像を見せた。
「繰り返しお伝えします。昨日午後、大西洋連邦をはじめとする地球連合各国は我らプラントに対し、宣戦を布告し、戦闘開始から約1時間後、ミサイルによる核攻撃を行いました。しかし防衛にあたったザフト軍は、デュランダル最高評議会議長指揮の下、最終防衛ラインでこれを撃破。現在地球軍は月基地へと撤退し、攻撃は停止していますが、情勢は未だ緊迫した空気を孕んでいます」
アスランはテレビも何もない部屋で待っていた時間を悔やんだ。
自分が知らない間にまたしてもプラントの命運が脅かされ、知らない間にザフトによってそれが守られていたというのだ。
「きみもかけたまえ、アレックス」
議長はニコリと笑って手を差し伸べた。
「ひとまずは終わったことだ。落ち着いて」
開戦以来、いや、この事態では開戦前から大変な激務だったろうに、議長はいつもどおり涼やかで凛としており、疲れひとつ感じさせない。
アスランが座ると、自身も椅子に深々と腰かけて「残念だよ」と呟いた。
「想定していなかったわけではないが、やはりショックなものだよ。こうまで強引に開戦され、いきなり核まで撃たれるとはね」
2年前のオーブ戦もそうだったね…と議長は言った。
プラントはあの連邦主導の「開放作戦」には、地球上の国々とともに共同の抗議声明を出している。この2年間、オーブとプラントの関係は概ね良好だった。
しかし今、市民の間には再びナチュラルに対しての怒りと憎しみが噴出し始めている。
そもそもブレイク・ザ・ワールドとて、もともとはユニウスセブンへの核攻撃が発端ではないか…それでもプラントは未だ同胞の遺体が残る「墓標」を破砕し、さらには莫大な額の救援費用を工面して彼らに手を差し伸べたのに、その返礼がプラントへの核攻撃とは…

若い兵士が多いミネルバでも、ナチュラルに対する不信感が広がった。
建前上は艦内の修理はエイブスたち整備兵が行うとなっていたが、実際はそう割り切れるものではなく、これまではモルゲンレーテ社員も気軽に艦内作業を手伝っていたのだが、現在は厳格に禁じられている。
整備員も些細なことでザフト兵たちと無用のトラブルを呼ばぬよう、艦外作業時も各班の連絡などは遠慮がちに小声で進められていた。
艦長命令でブリッジが未だ立ち入り禁止なので、シンたちもまだ一番の情報通のメイリンから状況を聞くことができないでいた。
「信じられないよな」
「また核攻撃ってなぁ」
ヴィーノとヨウランがこれだからナチュラルは、と呆れている。
「あの新兵器で、全部消滅したみたいけど」
ルナマリアが突然爆発して消滅した核部隊を思い出して呟く。
「もし一発でも当たってたら…」
彼ら自身も2年前の大戦末期には、ピースメーカー隊による核攻撃で命の危険に晒されたプラント市民である。当時は情報統制があって首都や工廠都市・行政都市以外詳しくは知らされていなかったが、停戦後、そしてアカデミー入学後に、自分たちが当時、いかに危険な状況にあったかを知って驚愕した者が多く、彼らも例外ではなかった。
「これはやっぱりもう戦争するしかないよな」
「しーっ、また、おまえは…!」
ヴィーノがヨウランの言葉に周りを気にして指を立てた。
「ミネルバは宇宙に戻ると思うか?」
ソファに座ったシンがレイに尋ねた。
何か情報はないかと探していたレイは、顔を上げずに「どうかな」と答える。
画面を指でスライドしていくが、めぼしい情報はない。
「本来なら本隊復帰が当然だろうが、議長のお考えは違うかもしれない」
「じゃ、やっぱり次はカーペンタリアか」
シンは頬杖をつく。
「そんなに早くオーブを出たいのか?」
図星を突かれ、シンは思わず言葉に詰まった。
「別に…そういうわけじゃないけど…」
「上陸しておいてよかったな。今となってはもう許されない」
レイがさりげなく後押ししてくれたおかげでオーブの土を踏めたのだ。
シンはやや口ごもったが、しまいには照れたように「うん」と頷いた。

「この状況で開戦するということ自体、常軌を逸しているというのに。その上これでは、これはもうまともな戦争ですらない」
議長はアスランに秘書が持ってきた茶を勧め、自らもカップを取った。
「連合は一旦軍を引きはしたが、これで終わりにするとは思えんし。逆に今度はこちらが大騒ぎだ」
アスランは黙って彼の言葉を聞いている。
「防げたとはいえ、またいきなり核を撃たれたのだからね」
問題はこれからだ…デュランダルはカップを置くとふうと息をついた。
やがてアスランは手をもみしだきながら、意を決したように尋ねた。
「それで、プラントは……この攻撃、宣戦布告を受けて、プラントは…今後どうしていくおつもりなのでしょうか?」
防衛に成功したプラントが、積極的に攻撃をすればそれは父と同じ道。
対話と交渉を求めつつも、一方でNジャマーを打ち込んで何百万という人々の命を奪ったクライン派と同じ制裁の道を歩めば、戦局は泥沼化する。
地球上でNジャマーキャンセラーが整備されていない地域では、未だにNジャマーの影響が残り、貧困に喘いでいる者も多いのだ。
プラントはナチュラルへの誠意として無償配布を行っているが、撃ち込まれたNジャマーの数に、彼ら自身、クライン政権の容赦ない無差別攻撃に戦慄したものだ。
クライン派は一般には「穏健派」とされているが、その政治思想が徐々に歴史となっていくにつれ、学術的にはむしろ戦争を長引かせ、残酷で悲惨な結果を招いたという戦史論が主流になってきていた。
もっともその場合、クライン政権では後の独裁者パトリック・ザラが国防委員長だったという事実を無視する事はできないのだが。
「我々がこれに報復で応じれば、世界はまた泥沼の戦場となりかねない」
議長は顎に手を当て、チャンネルを変えた。
どのニュースも今後プラントがとる方針について論じている。
デュランダル議長の思想を支持する者、批判する者、分析する者…
「わかっているさ。無論、私だってそんなことにはしたくない」
応戦などすれば、またあの悲劇が繰り返されるだけだと訴えている画面の向こうの識者に答えるように、デュランダルは言った。
さすがにメディアは戦争を煽りはしないが、街の声はそうではない。

「我らのザフトは腰抜けか?今すぐ報復を!」
「犠牲が出てからでは遅いでしょう」
「もう話し合える余地なんかないと思うね」
マイクを向けられた市民は怒り、嘆き、叫び、詰め寄った。
ザフトを強化せよ!軍備を整えよ!守るためには戦うしかない!

「やれやれ。そんなに戦いたいのかな、人々は」
デュランダルは苦笑しながらアスランに視線を向けた。
「我々には、戦うことを義務付けられた遺伝子でもあるのかな?」
「そんな…」
アスランは口ごもった。議長は肩をすくめて続ける。
「それとも…遺伝子に従わないからこそ、こうしたエラーが出るのかな?」
(あの時と同じ)
アスランは母の死を知った時の喪失感を思い出す。
人々は哀しみに暮れ、やがて積もり積もった怒りを爆発させた。
染み付いた恐怖はぬぐえない。憎悪も再び燃え始めるのだ。
それは、またあの愚かな行為を繰り返すことになる…
(父のように)
「今また先の大戦のように進もうとする針を、どうすれば止められる?」
議長は黙り込んだアスランに問いかけ、アスランは議長を仰ぎ見た。
「…でも、それでも…どうか、議長!」  
怒りと憎しみに駆られたまま逝った父の姿が、アスランの心に去来する。
ジェネシスを撃ってなお、戦いをやめようとはしなかった父の狂気は、今もアスランの心を苛んでいる。膿み果て、腐り落ちそうなくらいに。
「怒りと憎しみだけでただ討ち合ってしまったら駄目なんです!」

―― キラ!!私が!あなたを討つ!
―― アスラン!

「これで討ち合ってしまったら、世界はまたあんな…」
ずっと…この2年間、抑えてきた想いが迸るようにこぼれ出た。
「何も得るもののない、戦うばかりのものになってしまう!」
物静かに見える彼女の様子を慮り、議長は落ち着かせようと声をかけた。
「アレックス…」
しかしその名を聞いてアスランが大きくかぶりを振った。
「私…私は、アスラン・ザラです!」 
それは悲痛な叫びだった。

(…アレックス・ディノ…?)
(便宜上だ。俺やキラたちの前では、アスランでいい)
プラントを出たら、ザラの名を隠す事。
それがカナーバ前議長の特赦の条件だった。
新しい名前。見慣れないID。他人に紹介される、見知らぬ自分…パトリックを父に持つ自分を偽りたいなどと思ったことはない。けれどかりそめの名を持つ事の違和感に抗う事はしなかった。どこかで、全て諦めていた。
(でも今は、はっきりわかるわ)
自分は、アスラン・ザラ以外の何者でもない。それ以外にはなれない。

「2年前、どうしようもないまでに戦争を拡大させ、愚かとしか言いようのない憎悪を世界中に撒き散らした、パトリックの子です!」

アスランは両手で顔を覆った。長い髪が乱れてはらりと垂れる。

―― 我らコーディネーターにとって、パトリック・ザラの執った道こそが唯一正 しきものと!

「父の言葉が正しいと信じ、戦場を駈け、命を奪い、友と殺し合い、間違いと気付いても何一つ止められず…なのに、父の言葉が…またこんなっ!」
アスランは体をくの字に折り曲げ、震えるように叫び続けた。
議長は彼女のその様子を心配し、立ち上がった。
「もう…絶対に繰り返してはいけないんです!あんな…あんな…」
「アスラン!」
その時、議長がアスランの肩を掴んで自分の方を向かせた。
アスランははっと我に返り、心配そうな表情の議長を見つめる。
「あ…」
感情を爆発させることなど滅多にないアスランはすぐに落ち着いた。
「…すみません、議長…」
議長は元に戻ったらしい彼女を見て少しほっとしたようだった。
「ユニウスセブンの犯人たちのことは聞いている。シン・アスカからね」
議長はアスランを安心させるように微笑み、席に戻りながら言った。
シンが提出した報告書には、テロリストたちがパトリック・ザラの信奉者であると判明した状況が、詳細かつ的確に書かれていた。
「きみもまた、辛い目に遭ってしまったな」

―― 我々は、我々を守るために戦う。戦わねば守れないならば、戦うしかないのです!
―― 終わるさ!ナチュラルどもが全て滅びれば戦争は終わる!
―― 討たねばならんのだ!討たれる前に!敵は滅ぼさねばならん。なぜそれがわからん!?

アスランはこれまでも何度も思い出した父の言葉を反芻する。とりわけ、父の最期の言葉が耳から離れない。
「撃て…ジェネシ…我らの…世界を奪っ…報い…」
怒りと憎しみで武装した彼の心は、とうの昔に壊れてしまっていた。
(そんな父に、未だに踊らされ続けている人がいる事を、私は知らなかった)
しかし議長はそれを否定した。

「きみが彼らのことを気に病む必要はない」
アスランは驚いて議長を見た。
「ザラ議長とて、初めからああいう方だったわけではないだろう?」
デュランダルは「今は私にもわかる」と前置きしてから言った。
「戦局厳しい当時、プラントを守ろうと粉骨砕身されたに違いない」
カガリもキラも、共に戦った仲間たちは皆そう言ってくれる。
けれどアスランにとって父を擁護する意見は心に響かなかった。
むしろ冷静にシーゲル・クラインやパトリック・ザラの政策を分析するラクスの言葉こそ、父を否定するアスランの心に一番しっくりはまった。
なのに、新たなプラントの旗手たるデュランダル議長自身の口からは、為政者としてのパトリック・ザラを肯定する言葉がこぼれたのだ。
「ユニウスセブンの犯人たちは、行き場のない自分たちの想いを正当化するために、ザラ議長の言葉を利用しただけだ」
テロリストとはそういうものだ…と彼は続けた。
一見正しいことを言っているように見えても、武力や暴力でわからせようとする限り、我々はその声を聞く必要などない。
「いや、決して聞いてはならない。振り回されてはいけないよ」
彼は為政者の顔で言った。
「誰の子であったとしても、そんなことを負い目に思う必要はない。きみ自身にそんなものは何もないんだ」

(誰の子だって関係ないじゃないか!アスランは…)
(俺の家族は、アスハに殺されたんだ!)

ああ…アスランは議長の言葉にカガリとシンの言葉を重ねた。
アスランとカガリは、互いに重過ぎる父の「理想」と「罪業」を背負って生きてきた。皮肉な事に、その呪縛がこれまで彼らを未来へ進ませてきたのだが、今は逆に彼らを過去に引き戻していた。
真っ直ぐ父の後を追ってきたカガリはシンの断罪によって迷い、父のことで悩み続けてきたアスランは今、議長に解放されたのだ。

「今こうして、再び起きかねない戦火を止めたいとここに来てくれたのがきみだ。ならばそれだけでいい」
議長は優しく言った。
「一人で背負い込むのは、やめなさい」
アスランの痛む心に、その声は傷を包むガーゼのように優しかった。
しかし彼は期待通り舞い戻った彼女を見て、心の中でほくそえんでいた。
(きみはもう、あの国で一人苦しむ必要はないのだから)
そして、約束の時間がきた。

「皆さん、どうか気持ちを沈めて、僕の話を聞いてください」

アスランは聞き覚えのある声にはっとモニターを見た。
ついさっき見かけたラクス・クライン…彼がモニターに映し出されている。
思わず立ち上がり、そして議長に視線を戻すと、デュランダルは足を組み、少し肩をすくめた。
「この度のユニウスセブンのこと…また、そこから派生した昨日の地球連合からの宣戦布告、攻撃。実に悲しい出来事です」
彼はラクスそのままの口調で市民に語りかけた。
「再び突然に核を撃たれ、驚き、憤る気持ちは、核によって身体を蝕まれた僕も、皆さんと同じです」
ラクスは自身の胸を押さえ、悲痛な表情で訴えた。
「ですが、どうか皆さん!今は気持ちを沈めてください。怒りに駆られ、想いを叫べば、それはまた新たなる戦いを呼ぶものとなります」
彼はその後も延々と評議会の努力と議長の奮闘を訴え、国民には彼らを信じ、気持ちを静めるよう訴えている。ラクスの声、ラクスの口調で。
アスランは彼の姿に、ただただ呆気にとられていた。
「我ながら小賢しいことだと情けなくもなるな」
放送が終わると、自嘲気味に言いながら議長はモニターを切った。
「だが仕方ない。彼の力は大きいのだ。私のなどより、遥かにね」
1年半前に就任して後、デュランダルの政治力と外交力は、これまでになく評価できるものだった。プラントは平穏を取り戻し、救援・開発援助を積極的に行うなど、地球の国々とも地道な関係修復努力を続けており、深刻な出生率低下解消のために地球各国との医療技術協力を結ぶなど、未来を見据えた政策もとっている。それは実に見事な手腕だった。
(最高レベルの指導者だろうに…戦時下でさえなければ)
戦争が起きると、全てが軍事に塗りつぶされてしまう。
だからこそ、プロパガンダとして「悲劇の英雄」が必要なのだろうか。
(なら、これもプラントには必要な「虚像」なのかもしれない)
アスランは、否定的な自分に対して言い訳がましく議長を擁護した。
たった今自分と父を肯定してくれた議長を、否定したくなかった。
議長は静かに語った。
「私も先の大戦では、多くの友を、とりわけ大切な親友を失った」
彼の脳裏には、運命を呪い、自分を全否定する厭世的な友の姿が浮かんだ。
「そんな惨い戦争を、もう二度と繰り返したくはない。プラントを守り、ひいては戦いのない世界を作るために、どうにかしたいと思っている」
「…はい」
アスランは小さな声で頷いた。
「それには彼の力が必要なのだよ。きみの力も必要としているのと同じにね」
「私の…力?」
驚くアスランを見て、議長は彼女を促した。
「一緒に来てくれるかね」

「あの兵装は、ニュートロン・スタンピーダーと言うようです」
ラクスが…オーブにいる「本物の」ラクス・クラインが、バルトフェルドやキラたちに、核の撃破に使用されたザフトの新兵器について説明した。
ターミナルが早くもこの特A級のザフトの機密を盗み出したのだ。
「中性子を揺らして核分裂を起こさせるなら、原子炉を積んでる機体も危ないってことじゃないか?」
データを見ながらバルトフェルドが聞くと、キラの表情がやや硬くなった。
「ええ。ですが、レアメタルを大量に消費するので量産はできません」
ザフトはこのために、モビルスーツの核エンジンに使用していたベースマテリアルを大量に使用したと聞いてマリューも驚いた。
「それって…」
「そうです。ザフトにはそもそも、『核動力機体があった』という事です」
プラントは表向き外交と対話努力を続けながら、着々と軍備を進めていた。
それに南アメリカが親プラントなのは、終戦後の独立戦争をプラントが陰ながら支援したからだ。この戦争で大西洋連邦はしばらくゴタゴタし、オーブを無条件で解放せざるを得なかった。Nジャマーキャンセラーも当初はアフリカやユーラシアの貧困国に優先的に供給すると言っていたのに、蓋を開けてみれば真っ先に支給されたのは、当時独立戦争の機運が高まっていた南アメリカだったのだ。
(ギルバート・デュランダル議長…確かにかなりのやり手だよ)
ラクスはサイバースコープを外し、一息ついた。
「だがこれで、地球軍も迂闊に核を使えなくなったわけだ」
「ということは、前大戦と同じような構図というわけよね」
マリューが呟く。
反面、モビルスーツ技術は格段に進歩しているし、陽電子の軍事利用も進んでいる。
マリューはユニウスセブンを破砕したミネルバの砲を思った。
もしあれとローエングリンで撃ち合ったら…とついつい余計な事を考えてゾクリとする。
「拡大しなければいいですね…この戦争」
キラがポツリと呟くと、皆黙り込んだ。
誰もが…そう言ったキラでさえ、それは無理だろうと考えていた。

「ZGMF-X23Sセイバーだ」
議長が低重力の中、アスランを案内した先には、新型モビルスーツがあった。
彼は「カオス・ガイア・アビスと同時期に開発された新型だよ」と示す。
「この機体をきみに託したい…と言ったら、きみはどうするね?」
アスランはやや険しい表情で議長を見た。
「どういうことですか?私にザフトに戻れと?」
様々な想いが交錯する。
プラントを敵から守ると決めてザフトに入隊し、盲目的に戦って、気がつけば戦争を拡大させる力の一端を担っていた。
(また、あんな風に…)
アスランは唇を噛み締めた。
議長は微笑みながら首を振った。
「そういうことではないな。ただ言葉の通りだよ。きみに託したい」
もちろん、手続き上はザフトに復隊してもらう事になるがと説明し、議長は何より自分を助ける「力」として共に立ってもらいたいと言った。
「できることなら戦争は避けたい。だが、だからといって銃も取らずに一方的に滅ぼされるわけにもいかないのだ、我々も」
議長は焦らないようにと慎重に自分の言葉のトーンを調整した。
今にも罠にかかりかけている獲物をみすみす逃がす手はない。
「そんな時のために君にも力のある存在でいてほしいのだよ、私は」
(この機体に乗れば)
アスランは黙ってその機体を見つめた。
(今度こそ故郷を、プラントを守るために戦い抜けるのだろうか?)
「先の戦争を体験し、父上の事で悩み苦しんだきみなら、どんな状況になっても道を誤ることはないだろう」
デュランダル議長はアスランの細い肩にそっと手を置くと、頷いた。
彼の大きな手のぬくもりが感じられる。信じるに足ると思わせる温かさ。
(そうすれば真に戦うべきものが何なのか、見つけられるのだろうか?)
「もし我らが誤った道を行こうとしたら、きみがそれを正してくれ」
「議長」
「だが、そうするにも力が必要だろう?残念ながら」
議長はとん、と床を蹴ると出口に向かった。
「急な話だから、すぐに心を決めてくれとは言わんよ」
議長の口調は穏やかで、決して無理を強いるものではなかった。
「特使としてきみを送り出したアスハ代表の事もあるだろう」
彼はその名を聞いた時の彼女の反応も、慎重に観察していた。
そして勝利を確信した。アスランの心はもう、動揺する事はない。
「だが、きみにできること。きみが望むこと…」
デュランダルは低い声でそっと囁いた。
「それはきみが一番知っているはずだ、アスラン・ザラ」
甘い、心地のよい毒に侵され、アスランの心は徐々に痺れていた。
父に縛られた自分を解かれ、父を肯定された今、彼女の心は穏やかだった。
世界に平和をもたらしたいという理想を掲げる議長の強いカリスマ性は、清らかで、とても正しいものに見えた。
(戦うだけではなく、正すための力。自らの意思を貫き通すための力)
自分を待っているだろうカガリや、キラの顔が浮かんだ。
オーブの平和を、中立を守ろうと奔走しているカガリと、戦いたくない戦いを強いられ、今はもう、モビルスーツに近づこうともしないキラ。
(オーブでは何一つできなかった私にも、ここでなら…)
アスランの中に、消えかけて燻っていた火が灯り始めた瞬間だった。
(ザフトでなら、できるかもしれない。大切なものを…守ることが) 
それはまだ小さな種火だが、炎はやがて勢いよく燃え出すことになる。

その時、考え事をしながらホテルに戻った彼女を呼ぶ声が聞こえた。
「アスラン!」
「…!?」
駆け寄ってきたラクスが再び抱きしめようとしたが、アスランはうまく避けた。
無様に空振った彼は残念そうだったが、それでも彼女の手を両手で握った。
「お帰り。ずっと待ってたんだよ」
「えっ…と…あなた…あの…」
「ミーアだ。ミーア・キャンベル。でも他の誰かがいる時はラクスって呼んで」
ラクス…ミーア・キャンベルはいたずらっぽく笑うと囁いた。
そんな顔さえラクスにそっくりで驚く。
「御飯、まだだろう?まだだよね!一緒に食べよう」
「え…あの…」
ミーアは強引にアスランの腕を取ると車を用意してると玄関に向かう。
「アスランはラクスの婚約者だろう?」
「あ…いえ、それはもう…」
アスランは困りながらも、彼の正体に興味もあり、引きずられていった。

ミーアに連れて行かれたのは、高級そうなレストランだった。
「アスランが好きなのは、肉?それとも魚?」
メニューを見ながら、ミーアは楽しそうにペラペラと話しかけてくる。
「きみはとても美人だと聞いていたし、もちろん写真も見ていたけど、この2年間の事は知らないだろ?だけど、きみを見てすぐにわかったよ」
それからうっとりとしたような瞳で彼女を見つめ、ため息をついた。
「本当に綺麗だねぇ、アスランは」
「はぁ…いえ…」
「なんたってラクス様の婚約者だものね。2人は本当に絵になるよ」
そう言っている本人がラクスの顔をしているのだから、なんだか変な話だ。
やがてワインが来て、2人は乾杯した。
「そうだ!今日の僕の演説、見てくれた?」
「え?ああ…」
「どうだった?ちゃんと似てたかな?」
「どう、って…」
「たくさん練習したんだ。ラクス様みたいに凛として、毅然として、でも、とーってもお優しそうに…難しかったんだよ、真似するのは」
しかしアスランがはっきり答えないので、ミーアは落胆したように俯いた。
「…ダメ…だったかな…」
はしゃいでいた彼が急にしょんぼりしたので、アスランは少し胸が痛み、ついフォローしてしまった。
「ああ…いえ、そんなことはないけど…」
「え!ほんとに!?」
「ええ。よく似ていたわ。まぁ…ほとんど本物と変わらないくらいに」
ラクスが聞いたら抗議しそうだが、でも確かによく似ていた。
ミーアは「いよっし!」と両手を胸に引いてガッツポーズをして喜ぶ。
「よかったぁ、アスランにそう言ってもらえたら、僕、ホントに!」
アスランは答えようがなく、ただ苦笑した。 
「僕はね、本当はずーっとラクス様のファンだったんだ」
料理を待つ間も、ミーアはまくしたてている。
「ラクス様主演の映画もドラマも全部見たし、雑誌のグラビアやインタビューも全部とってあるんだよ。あ、ワイン、もっと飲む?」
彼は答えも聞かずにアスランのグラスに綺麗な赤いワインを注いだ。
「ファッションや髪型も真似してね…昔から声は似てると言われてたんだけど、ある日急に議長に呼ばれてさ」
「それで…こんなことを?」
「うん!今、きみの力が必要だって…プラントのために!だから…」
アスランは、どこかでついさっき聞いたような議長の口説き文句には気づかないふりをしながら、チクリと真実の針を刺した。
「あなたじゃないでしょう…ラクスよ、必要なのは」
アスランは今はキラと同じく、最も親しい友人である彼を思い浮かべた。
婚約していた頃は、ラクスともたまにこんな風に食事に出かけたものだ。
ラクスも無口な自分よりはよく喋ったが、彼ほど賑やかではなかった。
「…そうだけど…でも、今は…」
ミーアはその言葉に少し傷ついたようで、トーンダウンした。 
(でも、今は僕がラクス・クラインなんだ!)
ミーアは自分に言い聞かせるように、心の中で力強く呟いた。
(誰からも愛される、優しくて強いラクス様なんだ)
それからチラッとアスランを見て、もう一度彼女の美しさを確認した。
(そしてあなたを愛し、あなたが愛するべき人なんだ…僕こそが!)
ふと、アスランが顔を上げたので、ミーアは慌てて眼を逸らした。
「あ、今…だけじゃないよね。ラクス様は、いつだって必要なんだ。強くて、格好よくて、優しい…僕は、別に誰にも必要じゃないけど…」
アスランは自虐的なことを言う人だなと思いながら聞いていた。
「だから、今だけでもいいんだ、僕は。今いらっしゃらないラクス様の代わりに、議長や、みんなのための手伝いができたらそれだけで嬉しいよ」
ミーアは再びまくしたてた。何より、何より…
「アスランに会えて本当に嬉しい!」
アスランはその彼の口調に気圧され、何も言えなかった。

料理が運ばれ、食事が進む間も、ミーアはほとんど一人で喋っていた。
帰ったら、カガリやキラに連絡しなければと上の空のアスランは思う。
(でも、なんて言おう…プラントにはラクスがもう一人いたって?)
アスランは心地よく回ってきたワインで、くすっと笑った。
(もっとよく考えなくちゃ)
ザフトに戻るか、オーブに戻ってカガリの傍で自分にもできる事を探すか。

―― そこで何をしてるんです?あなたは…

手に持ったワインのように、鮮やかな赤い瞳の彼が問いかける。
「できること、望むこと、か」
アスランは小さく呟いた。
(カガリ…キラ…ラクス…私が「すべきこと」はなんだと思う?)
「アスランは、ラクス様のこと、いろいろ知ってるんだろ?」
考え込んでいるアスランに、ミーアが聞いた。
「教えてくれる?いつもはどんな風なのか、どんなことが好きなのか。えっと、あとは苦手なものとか、得意なものとか!他にもいろいろ…」
アスランはそれを聞くと、指を立てて言った。
「ならひとつ、忠告よ」
ミーアが嬉しそうに身を乗り出し、「何!?」と聞いてくる。
「ラクスは、あんなに元気そうに走らないわ」
ミーアは「あっ、そうか!」と手を叩いた。
「そうだよね、ラクス様はお体がお悪いんだもんね」

それを聞いてアスランはああ、と思い当たった。 
偽りの名を持つ彼は、ラクス・クラインに憧れる偽りの存在でありながら、本物のラクス・クラインがもう二度と取り戻せないものを持っているのだ。
「名はその存在を示すものだ。ならばもし、それが偽りだったとしたら?」
アレックス・ディノ…ガラスに写る自分を見て、アスランは思う。
(アスラン・ザラが自分を取り戻す時、あなたが失うものは何?)
ガラスに写る左手の薬指には、大切な人がくれた指輪が輝いていた。
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secret
制作裏話-PHASE10-
このPHASEも苦行の1話です。
本編ではハイネのオレンジザクやパープルザクが活躍する映像を見ながらの押し問答が続くわけですが、この先、最終回あたりで明らかに話数が足りずにまとめきれていない事を思うと「無駄な話だなぁ」と思います。総集編も悪いけど、運命は序盤のちんたらぶりも問題です。
種は逆に怒涛の展開が続いて緊迫感のある1クールが一番面白かったのにね。

しかもシナリオを読むと、こんなペラペラの内容に一体なんで1話もかけるのか理解に苦しみます。もうね、アスランはウダウダ悩んでないで、やっぱりここで一発戦闘に巻き込まれて「結局、俺の居場所はここしかないのか」でよかったと思います。

仕方がないのでここは大きく話を膨らませるため、本編ではほとんど出番のなかったシンやキラたちにも積極的に出演願いました。

ところでお気づきの方もおられると思いますが、私は逆デスのシンとレイに、かなり意図的に会話させています。無論これは「ホモスキーだから」ではありません(ちなみにBLは死ぬほど嫌いです。苦手です。天敵です。あっち行けシッシッ)
私はレイはキラではなく、シンにこそ救われるべきだと思っていたため、最終回にできっちりとそれを書くつもりでした。
しかしそのためには彼らの関係性をきちんと描いておく必要があります。本編の2人を見て、後半のシンの意見のなさ(=セリフが与えられない)から、「シンはレイの操り人形だった」と言う人も多いですが、私はシンがレイたちに救われたように、レイもまたシンたちに救われていたと表現したかったのです。
だから逆転の2人は、お互いを大切な友達として見ています。実際にはルナマリアも含めて3人ですが。

PHASE8でシンがレイの言葉に後押しされて上陸した事も含め、今回もオーブについての会話はちょっと気に入ってます。
なお本編では議長がいつの間にかテロリストがザラ信奉者だったと知っていたので、これはもちろんシン・アスカの報告書によるものであると補完しました。シンは優秀なんです、当然ですが。

一方ラクスは稼動し始めたターミナルの情報を披露します。元々軍人であるバルトフェルドやマリューは彼の話を客観的に聞いていますが、この時点のキラはまだ戦争やモビルスーツを意図的に避けています。

そんなキラを想い、国のために奔走するカガリを想い、アスランの心はすっかり議長に傾き始めています。
本編でもやけに暗い部屋で2人きりで話していましたが、逆転では議長の口説きがそのまま「愛人にならんかね」的な雰囲気です。

議長が遺伝子についてを話すセリフは創作ですが、デスティニー・プランを考え出した彼なら、人の本質や闘争本能についてこんな皮肉を言いそうじゃないですか。

しかしこの話はつくづく本編にはいらなかったと思います。だってこの後アスランはザラ議長の事などほとんど思い出さないし、この時彼が一体何を思って復隊したのかもよくわからなかったからです。しかも自分の意思をはっきり示して戻ったくせに、最終的にはまた脱走するしさぁ…一体なんなのアスランって。
やっぱり「巻き込まれバトルで英雄に祀り上げられ、オーブも敵国になって戻れなくなった」が一番よかったんですよ。早く戻りたいと焦ってれば、逃げても言い訳が立つし。

逆転ではアスランをこんなわけのわからんキャラにはしたくなかったので、このへんを出来る限り補完しています。
アスランにはシンを要所要所で思い出させ、父の呪縛に縛られているのは自分だけではなくカガリもなのだと気づかせたり、戦えなくなったキラを慮ったりします。これが「戦えるのは自分だけだと思った」事に繋がっていきます。

ついでに本編ではさっぱり触れられていない「アレックス・ディノ」の名前を拝受した時の事も補完してみました。
そんな不遇を乗り越えて、「自分は自分にしかなれない」とようやく気づいたアスランが、後々ミーアを救えない事を本編以上に印象付けるためです。本編のアスランって最初だけであとはアレックスだった事なんかほとんど忘れてますもんね(逆転は最終回でもその名が出てきます)

ミーアは試行錯誤でしたが、結構うまい事書けたのでホッとしました。本編のミーアもこの時点ではバカっぽいというよりけなげさが前面に出ていてよかったんですけどね。次に出てきたらバカになってた。

さりげなくアスランとラクスの婚約時代の様子なども入れてみました。本編でもミーアを出す事でむしろあまり描かれなかった「アスラン×ラクス」をクローズアップさせ、それこそこういう回想があれば面白かったのに。やっぱり彼らは間違いなく種一番のお似合いカップルですから。

自分で書いておいて手前味噌ですが、ラクスに憧れるミーアが、ラクスが願ってやまない「健康」を持っているのは皮肉で面白い設定ですね。
それと同時に、アスラン・ザラに戻る事で何かを失うのだろうかと、指輪を見ながら自分に問いかけるアスランも、今後の運命を示唆したいい演出になりました。
になにな(筆者) 2011/06/29(Wed)21:07:18 編集

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Natural or Cordinater?
サブタイトル

お知らせ
PHASE0 はじめに
PHASE1-1 怒れる瞳①
PHASE1-2 怒れる瞳②
PHASE1-3 怒れる瞳③
PHASE2 戦いを呼ぶもの
PHASE3 予兆の砲火
PHASE4 星屑の戦場
PHASE5 癒えぬ傷痕
PHASE6 世界の終わる時
PHASE7 混迷の大地
PHASE8 ジャンクション
PHASE9 驕れる牙
PHASE10 父の呪縛
PHASE11 選びし道
PHASE12 血に染まる海
PHASE13 よみがえる翼
PHASE14 明日への出航
PHASE15 戦場への帰還
PHASE16 インド洋の死闘
PHASE17 戦士の条件
PHASE18 ローエングリンを討て!
PHASE19 見えない真実
PHASE20 PAST
PHASE21 さまよう眸
PHASE22 蒼天の剣
PHASE23 戦火の蔭
PHASE24 すれちがう視線
PHASE25 罪の在処
PHASE26 約束
PHASE27 届かぬ想い
PHASE28 残る命散る命
PHASE29 FATES
PHASE30 刹那の夢
PHASE31 明けない夜
PHASE32 ステラ
PHASE33 示される世界
PHASE34 悪夢
PHASE35 混沌の先に
PHASE36-1 アスラン脱走①
PHASE36-2 アスラン脱走②
PHASE37-1 雷鳴の闇①
PHASE37-2 雷鳴の闇②
PHASE38 新しき旗
PHASE39-1 天空のキラ①
PHASE39-2 天空のキラ②
PHASE40 リフレイン
(原題:黄金の意志)
PHASE41-1 黄金の意志①
(原題:リフレイン)
PHASE41-2 黄金の意志②
(原題:リフレイン)
PHASE42-1 自由と正義と①
PHASE42-2 自由と正義と②
PHASE43-1 反撃の声①
PHASE43-2 反撃の声②
PHASE44-1 二人のラクス①
PHASE44-2 二人のラクス②
PHASE45-1 変革の序曲①
PHASE45-2 変革の序曲②
PHASE46-1 真実の歌①
PHASE46-2 真実の歌②
PHASE47 ミーア
PHASE48-1 新世界へ①
PHASE48-2 新世界へ②
PHASE49-1 レイ①
PHASE49-2 レイ②
PHASE50-1 最後の力①
PHASE50-2 最後の力②
PHASE50-3 最後の力③
PHASE50-4 最後の力④
PHASE50-5 最後の力⑤
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