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機動戦士ガンダムSEED DESTINY 男女逆転物語
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スティングは情報どおりの場所に置かれていた車に2人を乗せ、諜報員との接触を待った。
彼らが車を停めたのは街の中心地の公園だったが、そこの大きなモニターではザフト入隊勧誘のCMが流れており、アウルが面白くもなさそうに「だっせぇCM」と呟いた。

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基地内にけたたましい警報が鳴り響き、人々は一斉に振り返った。
アスランは咄嗟にカガリの脇に立って警戒態勢をとり、議長の護衛を務める数人のSPたちにも緊張感が走る。
ヴィーノと共にクルーたちと合流していたルナマリアは、警報の理由が一体何なのか探るように辺りを見回した。
彼女と言葉を交わしていた金色の髪の赤服もまた同様だ。
基地に戻り、整備兵の制服に着替えたヨウラン・ケントと彼の後ろに立つ赤服の兵士もまた、いぶかしげに空を仰いだ。
 
騒ぎは3機のモビルスーツが格納されている6番ハンガーで起きていた。
そこには、ザフトの制服を着た者に手引きされたあの3人がいた。
無論、ここに至るまでの道が全て開いていたわけではない。
既に何人もの人間の命を奪った彼らは、隠してあった新たな武器を手に襲撃を開始した。
身軽なアウルは両手で拳銃を撃ちながら体術を使い、スティングはハンドガンを手に走りこんでハンガーにいた兵を次々と殺害していく。
そして煌く肉厚のアサルトナイフを手にしたステラは、その美しい表情を見る見るうちに冷たく凍えさせ、恐るべきアサシンに変貌して男たちの喉笛を切り裂いた。
ザフトレッドと呼ばれる赤服のエリート兵すら、か弱い美少女にしか見えない彼女の敵ではなかった。
 
かつてザフトきってのエリート部隊だったクルーゼ隊の襲撃もかくやと思われる鮮やかな手腕で、あっという間にハンガーを制圧した彼らは、目当ての機体に乗り込むと起動操作を始めた。
「よし!いくぞ!どうだ?」
そのまま手早くパスワードを突破して自爆コードを解除し、緑色の機体に乗り込んだスティングが2人に声をかけると、青い機体のアウル、黒い機体のステラからもGOサインが出た。
「量子触媒反応スタート。パワーフロー良好」
「全兵装アクティブ。オールウェポンズ、グリーン」
「システム、戦闘ステータスで起動」
3機のモビルスーツは難なく起動し、アイカメラに灯が点った。
同時に虫の息の警備兵が、命と引き換えに警報ボタンを押したのだった。
 
けたたましい警報により、基地内は急に慌しくなった。
「カオス!ガイア!アビス!」
技術士官が動き出したモビルスーツの情報を司令室に伝える。
スティングはZGMF-X24Sカオスを起動させ、繋がっていたケーブルを引きちぎるとハンガーを出た。
「まずハンガーを潰す。モビルスーツが出てくるぞ!」
「ステラ、おまえは左」
ショルダーの武装が特徴的なZGMF-X31Sアビスに乗り込んだアウルが言うと、ZGMF-X88Sガイアのステラは素直に従って向きを変え、素早く獣のような姿に変形して走り去った。
アウルはさっそく機体性能を使いこなしているステラに感心して「やるじゃん」と賞賛すると、自分も負けないと言わんばかりに背部の砲塔を起動させ、たった今自分たちが出てきた6番ハンガーにビームをぶち込んで行きがけの駄賃にした。

奪取された新型モビルスーツ3機と警備にあたっていたジンが戦闘を開始した。
しかし既に生産ラインを外れている旧式のジンなど、彼らの敵ではない。
迎撃に出たモビルスーツが次々と撃破され、ついさっきまで式典準備に沸いていた工廠はたちまち引火した炎に包まれ、戦場になった。
「発進急げ!」
「6番ハンガーの新型だ!何者かに強奪された!」
「モビルスーツを出せ!取り押さえるんだ!」
事態が掴めないながらも、防衛のため警備兵たちの怒号が飛び、整備兵が避難のため走り回る。式典準備のために起動していたモビルスーツは全て戦闘体制に入り、整備兵が操縦していた機体は戦闘員と交代するため跪いた。
式典用装備しか持たないジンは装備の変更を行い、ガズウートも弾丸を装填して備えた。
けれど3人の操縦する新型は激しい攻撃を続けながら歩を進めており、工廠の被害は増すばかりだった。そして最も機動性に富む黒い機体…ガイアが、アスランやカガリがいる地域に近づきつつあった。
 
この騒ぎにさしものデュランダルも「なんだ!?」と振り返った。 被害が拡大し、2ブロック先で爆発が起きると周辺にいた兵たちが爆風で吹き飛ばされた。
SPたちは数人がかりでデュランダル議長を庇って倒れこむと「壁」となり、アスランは素早くカガリの腕を引いて壁際に彼の身を潜ませた。
爆風と爆音に、カガリは何が起きたのかと様子を窺い、アスランもまた攻撃の方向を見定めようと眼を凝らす。
 
SPに助け起こされたデュランダルは、そのまま素早く現場を離れた。
アスランもカガリを連れて彼の後を追おうとしたが、あるものを眼にして一瞬足を止めてしまった。それはカガリも同様だった。
「新型?」
建物の陰に見えた背の低い黒い陰が、見る見るうちに変形していく。
アイカメラが光り、二本足で立ち上がってマニピュレーターを動かすモビルスーツを見て、2人は思わず「ああ…」と声を上げてしまった。
「あれは…」
「ガンダム!?」
カガリは叫んだ。
かつてのヘリオポリスの悪夢を思い起こさせるような、戦火の中に立つその姿は、最愛にして最良の友でもある彼の妹が名づけて呼ぶ、モビルスーツの「通り名」だった。
 
新兵が多いミネルバクルーたちも、艦長の招集によって自らの母艦へと戻っていった。
ルナマリアと金髪の赤服…レイ・ザ・バレルはもう少し事態を見極めようと現場に残っていたが、突然ミサイルが近くに被弾し、激しい爆風に見舞われた。
レイはルナマリアを庇って地面に倒れこみ、ルナマリアはコンクリートに腰と膝をしたたか打ちつけて呻いた。
次の行動はレイの方が素早かった。彼は起き上がると、まだ整備中でミネルバへの搭載が遅れていた自身の機体の元へと走り出していた。
 
「若君をシェルターへ。エヴァンスは!?」
司令本部に向かうデュランダルに追いついたアスランとカガリは、議長の命を受けて彼らをシェルターに誘導する兵士に託された。
「なんとしても抑えるんだ!ミネルバにも応援を頼め!」
その議長の言葉を耳にしながら、アスランはカガリを促して、引率する兵士の後を追った。爆発は徐々に近づき、嗅ぎ慣れた硝煙の臭いと不快な熱がアスランに戦場の空気を思い出させた。
何より感じるのは血の臭い…今ここで、多くの人が死んでいるのだ。
世界からきな臭さは抜けないとはいえ、一応の「平和」によってこの2年間は戦いから退いていたアスランに、急激に軍人としての感覚が戻りつつあった。
その時、彼女の生存本能が警鐘を鳴らした。
 
先導する兵士が小走りに真っ直ぐ路地を抜けようとした時、アスランははっと何かの気配に気づき、カガリに向き直った。
「こっち!」
「うわっ!」
アスランはカガリの腕を引いて後退すると、彼を強引にしゃがませた。
その途端、路地を抜けた兵士が叫び声を上げて爆発に巻きこまれた。
カガリは自分の盾となって爆風に背を向けているアスランに気づくと、呼吸すらままならない中で、逆に彼女を守るように両腕で抱き締めた。
そして爆発が収まって眼を開けると、眼前の悲惨な光景に絶句した。
工廠では多くの建物が破壊され、あちこちにモビルスーツの残骸と無残な遺体が転がっている。遠目には攻撃を続ける新型が見える。
「なんで…なんでこんな…」
カガリは呻くように呟いた。
(これじゃ、まるで戦争じゃないか…!)
 
その時、アスランがカガリの腕の中で顔を上げた。
衝撃でサングラスが飛び、彼女の碧眼と彼の琥珀色の瞳が重なる。
「アスラン、大丈夫か?」
「…カガリったら…」
彼を守るのが自分の役目なのだから、こちらの身は気にするなと何度言っても、カガリはいつもこうしてアスランを庇う。
(これじゃ護衛の意味がない)
そう思うのだが、そんな彼だからこそ身を挺して守りたいと思うのも事実だった。
「ごめん、大丈夫よ」
アスランは立ち上がると、退路を求めて辺りを見回した。
その瞳には軍にいた頃の鋭い光が戻っていた。
この様子では、シェルターより司令室まで戻った方がいい…警護のため下調べはしたとはいえ、実際にアーモリーワンに来たのは初めてなので、地理に疎い自分がターゲットを連れて走り回るより、最も警護体制の整っている議長の周辺にいるのが一番安全なはずだ。
しかし徒歩で戻るには離れすぎており、生身で爆風に晒されながらカガリを連れて走り抜ける事はあまりにも危険が多いと思われた。
 
その時、アスランの眼に横たわっているモビルスーツが眼に入った。
資料で読んだだけだが、条約締結後、ザフトが開発して国際会議で紛糾した「ニューミレニアムシリーズ」と呼ばれる第二世代モビルスーツ…
(ZGMF-1000、ザクウォーリア)
優れた視力でアスランは機体の状態、武装を確認した。
損傷はなく、開きかけたハッチを見れば誰かが乗りかけたものの、パイロットに何らかのトラブルがあったため起動前に放棄されたと推測できた。
(あれなら弾や爆発を避け、防衛しながら司令部まで戻れる)
アスランは呆然と戦場を見回していたカガリの手を引いて走り出した。
そのまま身軽にザクの脚部に飛び乗ったアスランが、下にいるカガリを振り返って促したが、カガリは眉を顰め、足を止めて躊躇した。
「乗って!」
「けど…」
(これは、ザフトの兵器じゃないか)
ついさっき自分が否定した「強すぎる力」に、カガリの心は揺れた。
しかしアスランはそのまま膝をつくと、カガリに向かって手を伸ばした。
「こんなところであなたを死なせるわけにいかない!」
それはかつて、死を覚悟した自分に彼が手を伸ばした時を髣髴とさせた。
 
今現在、アーモリーワンの中で最も強固な要塞となってしまったミネルバでは、明日の進水式に備えて整備は進んでいたとはいえ、急遽発進シークエンスに入ったため大混乱に陥っていた。
艦長のタリア・グラディスは先ほどから受話器を握りっぱなしであちこちと連絡を取っていたが、奪取された3機の新型が未だに脱出しようともせずに暴れまわっているとの報告を受け、急遽搭載されているモビルスーツを防衛に出すことを決定した。
「アーサー、彼を!」
副長のアーサー・トラインは敬礼し、オペレーターにパイロットを呼び出すよう命じる。既に待機済みだった彼からは「了解」という返事が返ってきたため、オペレーターのメイリン・ホーク…ルナマリア・ホークの弟である彼が、発進シークエンスを開始した。
「インパルス、発進スタンバイ。パイロットはコアスプレンダーへ」
終戦後、モデルチェンジして性能の上がったパイロットスーツを着た彼は、ヘルメットをかぶるとコアスプレンダーにひらりと飛び乗った。
キャノピーを下げ、目の前の多数のスイッチを素早く正確に入れると、モニターに灯が点り、黒い画面にザフトマークが浮かび上がった。
「GENERATION UNRESTRICTED NETWORK DRIVE ASSAULT MODULE」
軌道を確認し、シフトレバーをゆっくりと入れていく。
パワーフローは良好。テスト飛行で何度も確認したものと同じ心地よいエンジン音に、彼はふぅと息を吐いた。

インカムからはメイリン・ホークの柔らかい声が聞こえてくる。
「モジュールはソードを選択。シルエットハンガー2号を解放します。シルエットフライヤー、射出スタンバイ。プラットホームのセットを完了」
コアスプレンダーがカタパルトに運ばれた後、無人索引機であるシルエットフライヤーの移送が行われる。順不動でよいが、チェスト、レッグフライヤーは必ずコアスプレンダーの後に射出されねばならない。
メイリンはパイロットの了解に答え、次のフェイズである安全確認に入った。
「中央カタパルト、オンライン。気密シャッターを閉鎖します。発進区画、非常要員は待機して下さい」
わらわらと整備兵や技術士官が下がっていく。
やがてコアスプレンダーが中央カタパルト発進位置にリフトオフされた。
「発進シークエンスを開始します。ハッチ開放。射出システムのエンゲージを確認。カタパルト推力正常。進路クリアー。コアスプレンダー、発進、どうぞ!」
コアスプレンダーは爆発的な点火により、真っ直ぐに飛び出した。
(発射時に、あれだけのスピードを出せるのは彼しかいない)
いみじくもザフトレッドとなった姉と違い、能力不足と判定されてパイロットとしての道を閉ざされたメイリンは、少し寂しそうに彼を見送った。
しかし真面目で心優しい彼はすぐに気を取り直し、武装であるシルエットフライヤーの射出シークエンスに入った。
続けてチェストフライヤー、レッグフライヤーが射出されるとコアスプレンダーが旋回し、それらフライヤーの軸線の先頭に立つ。
彼とコンビを組んでの合体訓練はすでに数十時間に及んではいるが、実戦での合体は始めてである。メイリンはパワーゲージや機体の状況に眼を配りながら、座標軸が確定するまで固唾を呑んで見守る。
やがてそれが確定すると、コアスプレンダーが素早く変形を始めた。
最も無防備な合体時はスピードを増す事で危険を回避する。
だからこそ軸線と座標を正確に捉える事が必要なのだが、これもまた現在、彼以上に正確に行える者はいなかった。
続けてチェストフライヤー、レッグフライヤーが索引機を外してコアスプレンダーと合体する。ヘッドが起き、マニピュレーターが稼動してアイカメラが起動すると、現ザフトが持てる最高の技術をつぎ込んだ最強の機体、ZGMF-X56Sインパルスがその雄姿を現した。
ドッキング終了と同時に、旋回していたフォースシルエットの索引機が外れ、インパルスはその軌道上で武装換装を行った。
フェイズシフトの次々世代タイプであるヴァリュアブル・フェイズシフトは、ソードシルエットにふさわしい赤い装甲を選択している。
メインウェポンはソードだが、ライフルやナイフもマウントされ、接近戦ゆえの臨機応変な戦闘形態が可能になるシルエットだった。
メイリンは見事に合体を成功させ、戦場へと向かう彼を見送った。
(頑張って…シン)
あの時傷ついた赤い瞳の彼は今、まごうことなきザフトのエースになっていた。
 
手応えのないジンやゲイツRをライフルで片っ端から潰していたステラが、炎と瓦礫に包まれた視野の中でのっそり立ち上がったモビルスーツを視界にとらえ、いぶかしげに機体の向きを変えた。
アスランは起動させたザクにダメージがないことを確認し、武装を確かめた。
(突撃銃…それに、シールドの中にトマホーク…)
けれどゆっくり調べている暇はない。こちらに気づいたガイアがライフルを撃ってきたため、アスランは咄嗟にシールドで防いだ。
その振動で傍らに不安定なまま立っているカガリがバランスを崩した。
シールドを構えて立つ不審なザクを見て、ステラは呟いた。
「なんなの?」
今までの敵はどれもこれもライフル一発で簡単に爆発してしまったのに…その瞬間、ザクは信じられない速さで加速し、ガイアに突っ込んできた。
予期せぬショルダータックルにガイアはシールドを構える暇もなく、ステラは衝撃で後ろに弾き飛ばされ、どうっと地面に倒れこんだ。
「こいつ!」
ステラはカッとなってシフトレバーを一杯に入れた。
しかし立ち上がろうとしたところを今度はザクのトマホークに打たれ、再びバランスを崩す。ステラの心にふつふつと怒りが湧き起こった。
 
(なんなの…なんなの、こいつは…!?)
 
ステラは少し距離をとると素早く変形し、MA形態になった。
かつて自分も砂漠で戦ったバクゥにも似たその姿にカガリは驚き、アスランは背中にある翼のようなビームブレードを展開して襲い掛かるガイアを、素早くしゃがみこんで回避した。しかしその反動で激しい振動がコックピットを襲い、カガリは耐えかねてシートにしがみついた。
「ええい!」
アスランは力づくで押し返そうとしたが、機動性に富んだガイアのスピードが勝り、機体はコンクリートを削りながらズズッと後退した。
そしてその途端、突然上空から舞い降りた機体に左腕を切断された。
「ステラ!」
それはカオスに乗ったスティングだった。
目の前にはカオス、ガイア…2機の新型を前に、自分のザクは手負いだ。
絶望的なまでに不利な状況でも、アスランは勝利への道を探していた。
それは自分の傍らに、命に代えても守りたい人がいるからに他ならない。
しかしその時、一触即発の両者の間をビームブーメランが通過した。
「なに!?」
ザクに向けてまさに攻撃を仕掛けようとしていたスティングは、その威嚇攻撃に一瞬下がり、状況を把握しようと新たな敵を見た。
彼らの前には、モジュールを背に戻したインパルスが降り立った。
スティングもステラも、これまで屠ってきたモビルスーツとは明らかに違う形状に驚きを隠せない。むしろ自分たちが奪取を命じられた機体に近い…もしかして、これも新型なのだろうか?
 
アスランもまた、突如目の前に現れた機体に驚いていた。
それはかつて最強の敵だった親友が乗っていた機体に似ている…インパルスは2機の新型に向かって対艦刀エクスカリバーを構えた。
レーザーが入り、刀身が赤く光る。そしてシンは呟くように言った。
「なんでこんなこと…」
人々の命が散り、破壊された瓦礫を見て、彼の脳裏には忌わしい記憶が蘇る。
失われた過去…幸せだった日々…父と母と、幼い妹…
 
「また戦争がしたいのか!あんたたちは!!」
 
怒りを含んだシン・アスカの声が、硝煙と死臭にまみれた戦場の濁った空気を振り払うように響き、鮮やかに切り裂いた。
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secret
制作裏話-PHASE1③-
いよいよガンダムバトル開始の襲撃編です。

初めにネタばらししてしまうと、この時点で逆デスのデュランダル議長は「ファントムペインの襲撃を知っていた」事になります。情報を手に入れておきながら、敢えてそれを見逃します。
高すぎる代償を払う事で平和ボケしているプラント国民に危機感を持たせ、インパルスを守護神とした英雄ミネルバが理不尽な「敵」と戦い、勝利をおさめていく「序章」の幕開けです。
後にアスランがいぶかしんだように、この時点で議長が敢えてアスハ代表のお忍び訪問を受けたのは、慎重な彼がかけておいた「保険」でした。ラクス・クラインに「英雄プロジェクト」を崩されたことで、この保険が発動することになります。本編は最後のバタバタ感がひど過ぎてとてもいやだったので、プラントが最終的にオーブを敵と見なす「根拠」を構築する事が目的でした。

というか、種の脚本はたとえばAという事象があると、それがBやCに影響を与えていく…という、物語には当然あるべき伏線的な事象の関連性がほとんど皆無なんですね。
「いきなりラクスがレジスタンスのボスに」「いきなりダコスタが寝返ってる」「いきなり出てくるアズラエル」「いきなり生きてたキラ」など、とにかく全てが「いきなり」で、そこには何も根拠がありません。
だからこの最初の襲撃にアスランとカガリが居合わせた事も、ただの偶然ではなく、物語的な必然にしたいと思っての事です。

逆転SEEDのPHASE1はセリフなども随分割愛してしまったのですが、逆転DESTINYは本編以上に書き込んであるし、しかもインパルスの発進および登場シーンは「とにかく格好よく書く!!」とめちゃくちゃ意気込んでました。
襲撃から破壊、インパルス登場までスピード感もあるしまぁまぁじゃないでしょうか。

それにしても久々に読んでみると、この話を書き上げるのにものすごく苦労した日々を思い出します。何度書き直したかしれません。一日あれば1PHASE書き上げていた逆種に比べ、何日書いても納得のいくものにならない。「これは思った以上に大変だ」と、手をつけてしまった事に軽い後悔すら覚えました。

男女逆転による変更を施しつつ、アスランがカガリと共にザクに乗って戦います。まさか自分よりでかい男をお姫様抱っこは出来ないので手を伸ばすという表現にし、逆種最終回を思い返させました。

カガリはナチュラルにしては反応がよく体力もある方なので、今回うっかりアスランを庇ってしまってアスランに呆れられます。しかも彼は常習犯で、いつも自分よりアスランの安全を気にしては彼女に叱られます。

早速メイリンの独白や描写が多くなっていますね。この頃はメイリンにミネルバ側の狂言回し的な役割も担ってもらっていました。全体の様子を知る事ができるのは彼だけだったからです。

とにかく、このPHASE1は非常に苦労した覚えがあり、逆種の時のようにわくわくすると言うより、(これから先は長いけど、大丈夫かな…)という不安の方がよほど強かったです。
になにな(筆者) 2011/05/22(Sun)21:33:12 編集
Natural or Cordinater?
サブタイトル

お知らせ
PHASE0 はじめに
PHASE1-1 怒れる瞳①
PHASE1-2 怒れる瞳②
PHASE1-3 怒れる瞳③
PHASE2 戦いを呼ぶもの
PHASE3 予兆の砲火
PHASE4 星屑の戦場
PHASE5 癒えぬ傷痕
PHASE6 世界の終わる時
PHASE7 混迷の大地
PHASE8 ジャンクション
PHASE9 驕れる牙
PHASE10 父の呪縛
PHASE11 選びし道
PHASE12 血に染まる海
PHASE13 よみがえる翼
PHASE14 明日への出航
PHASE15 戦場への帰還
PHASE16 インド洋の死闘
PHASE17 戦士の条件
PHASE18 ローエングリンを討て!
PHASE19 見えない真実
PHASE20 PAST
PHASE21 さまよう眸
PHASE22 蒼天の剣
PHASE23 戦火の蔭
PHASE24 すれちがう視線
PHASE25 罪の在処
PHASE26 約束
PHASE27 届かぬ想い
PHASE28 残る命散る命
PHASE29 FATES
PHASE30 刹那の夢
PHASE31 明けない夜
PHASE32 ステラ
PHASE33 示される世界
PHASE34 悪夢
PHASE35 混沌の先に
PHASE36-1 アスラン脱走①
PHASE36-2 アスラン脱走②
PHASE37-1 雷鳴の闇①
PHASE37-2 雷鳴の闇②
PHASE38 新しき旗
PHASE39-1 天空のキラ①
PHASE39-2 天空のキラ②
PHASE40 リフレイン
(原題:黄金の意志)
PHASE41-1 黄金の意志①
(原題:リフレイン)
PHASE41-2 黄金の意志②
(原題:リフレイン)
PHASE42-1 自由と正義と①
PHASE42-2 自由と正義と②
PHASE43-1 反撃の声①
PHASE43-2 反撃の声②
PHASE44-1 二人のラクス①
PHASE44-2 二人のラクス②
PHASE45-1 変革の序曲①
PHASE45-2 変革の序曲②
PHASE46-1 真実の歌①
PHASE46-2 真実の歌②
PHASE47 ミーア
PHASE48-1 新世界へ①
PHASE48-2 新世界へ②
PHASE49-1 レイ①
PHASE49-2 レイ②
PHASE50-1 最後の力①
PHASE50-2 最後の力②
PHASE50-3 最後の力③
PHASE50-4 最後の力④
PHASE50-5 最後の力⑤
PHASE50-6 最後の力⑥
PHASE50-7 最後の力⑦
PHASE50-8 最後の力⑧
FINAL PLUS(後日談)
制作裏話
逆転DESTINYの制作裏話を公開

制作裏話-はじめに-
制作裏話-PHASE1①-
制作裏話-PHASE1②-
制作裏話-PHASE1③-
制作裏話-PHASE2-
制作裏話-PHASE3-
制作裏話-PHASE4-
制作裏話-PHASE5-
制作裏話-PHASE6-
制作裏話-PHASE7-
制作裏話-PHASE8-
制作裏話-PHASE9-
制作裏話-PHASE10-
制作裏話-PHASE11-
制作裏話-PHASE12-
制作裏話-PHASE13-
制作裏話-PHASE14-
制作裏話-PHASE15-
制作裏話-PHASE16-
制作裏話-PHASE17-
制作裏話-PHASE18-
制作裏話-PHASE19-
制作裏話-PHASE20-
制作裏話-PHASE21-
制作裏話-PHASE22-
制作裏話-PHASE23-
制作裏話-PHASE24-
制作裏話-PHASE25-
制作裏話-PHASE26-
制作裏話-PHASE27-
制作裏話-PHASE28-
制作裏話-PHASE29-
制作裏話-PHASE30-
制作裏話-PHASE31-
制作裏話-PHASE32-
制作裏話-PHASE33-
制作裏話-PHASE34-
制作裏話-PHASE35-
制作裏話-PHASE36①-
制作裏話-PHASE36②-
制作裏話-PHASE37①-
制作裏話-PHASE37②-
制作裏話-PHASE38-
制作裏話-PHASE39①-
制作裏話-PHASE39②-
制作裏話-PHASE40-
制作裏話-PHASE41①-
制作裏話-PHASE41②-
制作裏話-PHASE42①-
制作裏話-PHASE42②-
制作裏話-PHASE43①-
制作裏話-PHASE43②-
制作裏話-PHASE44①-
制作裏話-PHASE44②-
制作裏話-PHASE45①-
制作裏話-PHASE45②-
制作裏話-PHASE46①-
制作裏話-PHASE46②-
制作裏話-PHASE47-
制作裏話-PHASE48①-
制作裏話-PHASE48②-
制作裏話-PHASE49①-
制作裏話-PHASE49②-
制作裏話-PHASE50①-
制作裏話-PHASE50②-
制作裏話-PHASE50③-
制作裏話-PHASE50④-
制作裏話-PHASE50⑤-
制作裏話-PHASE50⑥-
制作裏話-PHASE50⑦-
制作裏話-PHASE50⑧-
2011/5/22~2012/9/12
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