忍者ブログ
機動戦士ガンダムSEED DESTINY 男女逆転物語
[63]  [64]  [65]  [66]  [67]  [68]  [69]  [70]  [71]  [72]  [73]  

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

アスランはラクスを、キラを、カガリを思い出した。

「ダメだ!こんなところでおまえたちが死ぬ理由なんか一つもない!」
「なら私は、あなたを討つ!」
「僕の命はさほど長くはない。だから、どこまでできるかわからない」

皆、迷いながら、悩みながら、選択しながらここまで来た。
間違っているから悪で、正しいから正義とは限らない。
(正義は人の数だけ、それぞれの人の心にある…だからこそ譲れない)
皆そうやって、平和な世界に戻りたい、取り戻したいと思いながらも新たな道を歩んできたのだ。
アスランはデスティニーを見つめた。そこにいる彼も、望むものは同じはずだった。
(でも、だからこそ…)
シフトを入れると、インフィニットジャスティスの機関が静かに唸りを上げ始めた。
「私は、あなたの前に立ちはだかる!」

拍手


ストライクフリーダムがレジェンドとの決着をつけてエターナルに向かった頃、ドムのヒルダが被弾した。不覚を取り、赤服たちが操るグフに挟撃されたのだ。
「う…わあぁ!」
「ヒルダ!」
ヘルベルトが吹き飛ばされたドムの回収に向かい、マーズがグフを追い払った。後方で戦っていたメイリンが、ヒルダを艦内に運ぶ間、ヘルベルトが抜けた穴を塞ぐ。
「まずいな…どうにもいい目が出ねぇ」
マーズの指示に従って左舷に向かったメイリンは、すっかり友軍機が少なくなったレーダーを見てふと心配になる。
(キラさん…アスランさん…)
そしてすぐ近くに見える月面を見つめた。
(シンと姉さんも…戦っているんだろうか)
フリーダムが戻らない今、戦局はまだ膠着したままだった。

「ローエングリン、撃ぇ!」
クサナギのアマギが、レクイエム発射口の敵を果敢に蹴散らした。マリューの命を受け、先んじて残存艦隊の援護に来ていたイケヤたちムラサメ小隊も、既に彼らと合流して戦っていた。
「くっそー!よくもあんなものを…」
傷ついて煙を吹くスサノヲに取りついているザクを見つけ、ゴウはモビルスーツに変形するとサーベルで襲い掛かった。
「やらせるか!これ以上!」
ニシザワが背中のイカヅチを放ちながら近づくと、その影に隠れたイケヤが変形してグフの前に降り立った。
「うわぁ!」
イケヤの迷いのないサーベルは肩口から斜めに機体に傷をつけ、グフのコックピットはそのまま光に包まれ、爆散した。
アークエンジェルがミネルバを抑えているおかげで、今現在発射口は比較的狙いやすいのに、肝心のアンチビームシールドを持っているインフィニットジャスティスがいない。
「アスランさんは?」
マリューがミネルバと主砲の応酬を続けながらミリアリアに聞いた。
「駄目です!位置特定不能!」
マリューが彼女を探してと命じていると、モニターにネオが現れた。
「どうした?」
「ムウ」
マリューは陽電子リフレクターが設置されている事を説明した。
「シールドが突破できなければ、オーブは…」
「なるほどね…なら俺が行く!」
驚いたマリューに、ネオは言った。
「それってつまり、この機体でもいけるってことだろ?」
どっちにしろ1人よりは2人の方が確実だと言い残し、アカツキは激しい戦いが続く月面に向けて発進した。

「シン!もうやめなさい、あなたも!」
月の引力で重くなった機体を立て直すと、両者は距離を取った。
アスランはサーベルを構えたまま言った。
「議長は従わない者をレクイエムで排除して、世界を…」
「世界はもう、変わらなきゃいけないんだ!」
シンはアロンダイトをマウントすると、今度は2000GXを手に取って速射した。
(く…早い!) 
アスランはビームを避けて離脱したが、シンはそのままジャスティスに向かって撃ち続けた。空間を埋め尽くすように速射されるビームの中で、ジャスティスはサーベルを収めると再びブーメランを投げ飛ばした。
「オーブを討つことが、平和な世界のためなの!?」
シンはブーメランを避けたが、ジャスティスもまたその軌道と同じ道を通って向かって来た。ジャスティスのサーベルが振りかざされるのを見て、シンはすぐにシールドを構えて迎え撃とうとした。しかしアスランの狙いは違っていた。
ジャスティスは後方に構えていたハルバートモードのサーベルの軌跡を変え、上ではなく下から薙いだのだ。それはシンが構えたシールドの下から飛び出してきた。
(こいつ、武装を狙って…!)
下方からの太刀筋はデスティニーが右手に持つビーム砲を切り裂いた。M2000GXが激しい爆発を起こし、シンはそれを手放さざるを得ない。その爆発の衝撃が両者を引き離し、再び距離を取って向かい合う。
「あんなものを撃って手に入れるものが真実なの!?」 
「そんな事はわかってる!!」
シンのその言葉に、アスランは息を呑んだ。
「なら、なぜ…!?」
「俺はそれでいいと言ったろ!」
シンは苛立ちながら言った。

「戦争なんかうんざりだ!世界はいい加減、平和になるべきだ!」

心臓にちりちりと灼けるような痛みを感じる。
(俺の家族は、アスハに殺されたんだ!)
(この国の正義を貫くって…あんたたちだってあの時、自分たちのその言葉で誰が死ぬことになるのか…ちゃんと考えたのかよ!)
(敵に回るって言うんなら、今度は俺が滅ぼしてやる!)
オーブは俺から全てを奪った。マユも、父さんも、母さんも…俺の幸せな生活を…全て…
でも俺は、あの日まで戦争を知らずに生きてこられた。だから俺は知ってるんだ…戦争のない世界を。俺が…望んでいる世界を。
「おまえはオーブを求めている。だからそんなにこだわるんだ!」
あの時のカガリの言葉がシンをさらに追い詰め、シンは思わず拳を固めてメインパネルを殴りつけた。その痛みが、心の痛みとシンクロする。

「…そうすれば、もう…オーブなんかいらない!」

まるで泣き叫ぶような怒鳴り声だ…とアスランは思った。
それは彼が前大戦とオーブに対し、未だ大きな傷を抱えている証だった。

「シン!過去に囚われたまま戦うのはもうやめなさい!」

アスランの脳裏には、ナチュラルを滅ぼさんと狂気に走った父と、彼をそこまで走らせてしまった母、傷ついたラクスの姿が浮かぶ。
怒りと無力感に苛まれて軍に入り、戦った日々。キラと殺し合い、ニコルやミゲル、ラスティたち多くの戦友を失った。最悪の状況まで行きついたあの戦争は、なんとか終わったけれど…アスランの心にもやりきれない痛みが走った。
「そんなことをしても、何も戻りはしない!」

「うるさいっ!黙れ!!」
シンは急激に加速すると、ジャスティスの防御圏に飛び込んだ。
そして至近距離から容赦なくライフルを撃ちまくる。
「あんたはホントに…俺を見れば説教、説教、説教だ!」
ジャスティスはビームシールドを展開しながらやむなく後退する。 
「俺に全部忘れろって言うのか!あの痛みを!苦しみを!」
「そうじゃない!」
シンはライフルをマウントすると、肩のフラッシュエッジブーメランを取り、離脱姿勢のジャスティスに投げつけた。アスランはまるでそれがシンの怒りそのもであるかのように待ち構えた。
「思い出して!あなたは本当は何が欲しかったのか!」
向かってきたそれを頭上まで蹴り上げたアスランは、そのまま彼方へと蹴り飛ばした。軌道を変えられたブーメランは戻らない。しかしその動作を終えないうちに、ジャスティスが被弾した。
「ぐっ…!」
相手はライフルを構え、初動時からジャスティスを狙っていたのだ。
(こちらの動きを完全に予測している…)
相変わらず、その学習能力の高さには驚くばかりだ。
「俺が欲しかったのは…」
アスランはボディにややダメージを受けて後退し、シンを睨みつけた。

「…力だ!大切なものを守り、強くなるための!」

力がなくて、何も守れなかったことが悔しくて、あれほど泣いた…

「だから俺は力を手に入れたんだ!」

そう言いながら、シンの心に、ステラが、ベルリンが、無残に倒れたプラントが…そして、傷ついたオーブの姿が浮かんでは消えていった。
アスランは再びシールドを持ち上げると、デスティニーに向けてキャリーシールドに仕込まれたグラップルスティンガーを発射した。
(まだこんな武器が・・・!)
シンはそれに気づくと、素晴らしい反射スピードで飛び退ったのだが、思った以上に伸びたアンカーにほんのわずか予測距離が足りなかった。アンカーの先のクローがデスティニーの右手からライフルを絡め取る。アスランはフックが戻るとライフルを放り投げ、シンの目の前でサーベルで何回か切り裂き、あっという間に爆発させてしまった。
(野郎、えげつないマネを…それで自分の力を示したつもりか!)
シンは再びもう一方のブーメランを手に取ったが、今度は投げずに切っ先からビームソードを発生させてジャスティスに襲い掛かった。サーベル状のビームはジャスティスのシールドで受け止められる。
アスランはそれを力いっぱい薙ぎ払った。
デスティニーも機体のバランスを崩したがすぐに立て直して、離れた位置からもう一度ブーメランを投げつけた。しかしアスランは今度はそれを蹴らずに、ほんのわずか機体を動かして避けると、サーベルで一刀両断してしまった。攻撃を悉く防がれ、悔しさがシンの心を苛んだ。
(…こんなヤツに…!)

やがて、アスランが静かに言った。
「あなたは確かに強い」
今のシンは、何をどう言っても退くまい…間違いだと知りながらも、目指す世界のためならと全てを受け入れながら戦えるシンが、退くわけがない。ましてや、説明の下手な自分に説得できるとは思えなかった。 
信じるものがあれば、人はせめぎあい、ぶつかりあう。
「強大な力に屈することなく、辛い孤独を恐れることなく、正しいと思えば、それを主張し通す事ができるのがきみの『力』」
アスランはラクスの言葉を思い出し、ふ…と笑った。
そしてもう一度、目の前にいるデスティニーを見つめて言う。
「でもそれは、力とは関係ない!」

アスランのその言葉は、案の定シンの怒りを頂点に達させた。
「日和ってばかりのおまえが、偉そうなことを言うな!」
デスティニーは背中のアロンダイトを抜いて構える。
アスランも無言でハルバートモードのサーベルを構えた。
両者はそのまましばらくにらみ合い、やがて動いた。
シンはアロンダイトを振りかぶると、力任せに振り下ろした。
アスランはアロンダイトを受け止めたシールドを一旦沈ませ、左足を盾に隠しながら蹴り上げた。しかしシンはそれも予測し、ぎりぎりの動作でブレイドを避ける。
そしてシンは、跳ね上げられたアロンダイトを今度は思いっきり横に薙いだ。縦に構えられていたジャスティスのシールドは角度が悪く、アスランは勢いを殺しきれずに機体が横にすべる。
「…ぐっ…!」  
ジャスティスは激しくスラスターをふかしてようやく制動した。
ジャスティスが態勢を整えきる前に、今度はデスティニーの左の掌が襲い掛かった。パルマフィオキーナが輝き出し、ジャスティスはそれを避けようとして機体をよじった。
アスランはキャリーシールドを持ち上げ、先端から急激に伸びたビームソードがパルマフィオキーナに干渉して揺らぐ。その激しい衝突に、両者は攻防を諦め、飛び退った。  

次にシンは、突きの体勢をとった。
かつて、彼がアスランの乗ったグフを討伐した時そのものの型だ。
デスティニーの光の翼がこれまでにないほど輝き始めた。幻影を作り出すミラージュコロイドも散布されたが、その量も今までとは比べ物にならず、ほんの一瞬、アスランの視界からデスティニーが消えたほどだった。
やがてデスティニーは凄まじい高速で向かってくる。
アスランはビームシールドの出力を変化させ、一点集中の防御シールドを作り上げた。相手の威力が勝れば破られる。絶妙な調整が必要な、難しい防御だった。
(今度は受け止める…必ず!)
デスティニーはシンの怒りの咆哮と共に大剣を突き出した。
アロンダイトの切っ先は、シールドに完全にヒットし、パワー操作を誤れば間違いなくボディを貫かれるだろう。 
しかしアスランは激しい衝撃に耐えながら同時に攻撃に転じた。サーベルでアロンダイトを押し切ろうと振り下ろしたのだ。ビームとビーム刃が干渉し、激しいプラズマが宙域を支配した。
するとデスティニーはその力比べの中で、急に力を抜いた。
シンは突然、真っ直ぐ突いているアロンダイトに体重をかけ、右に曲げたのだ。狙いはジャスティスの実体シールドだ。武装が多く仕込まれているそれを弾き飛ばしてしまえば相手の防御力は格段に弱まると見込んでの動きだった。
「シールドを!?」
アスランはその戦法に驚き、咄嗟に左腕を外して後ろへ流した。
(…持って行かれるわけにはいかない!これはオーブを…)
しかし、それがジャスティスのボディをがら空きにした。
目の前ではデスティニーがアロンダイトを振り上げ、構えている。
途端、アスランの体を冷たい水が包み込み、感覚を開かせた。
閉じていた視界が急速に開けていき、聴覚がクリアになる。自分の周りに何があって何をしているのか、見なくてもわかるくらい、体全体の感覚が鋭くなっていた。一瞬、はるか遠い地で自分を待っている人の面影が見えた気がした。
シンはそのまま斜めに向けてアロンダイトを振り下ろした。
アスランもまた咄嗟の判断で右手のサーベルを突き出し、同時にファトゥムのフォルティスを放った。
ジャスティスの胸部表面をアロンダイトの刃が削りながら滑り、サーベルを突き出されたデスティニーは頭部をかすめられてアンテナを破損した。何より至近距離で放たれたフォルティスが左肩を破壊し、駆動部の爆発を引き起こした機体が衝撃で揺れる。
共にダメージを蒙った両者は飛び退った。
しかしアスランの次の行動は素早く、シンに対処の時間を与えなかった。
ジャスティスはそのままワンアクションで飛び出すと、再びサーベルを振りかざしてデスティニーに襲い掛かったのだ。
シンはサーベルを受け止めたアロンダイトにもビーム刃を出して干渉させようとしたが、既に実剣のダメージが残る刀身はビームの高熱に耐え切れなくなっていた。
ジャスティスはそのまま力任せにサーベルを振り切り、それと同時にアロンダイトは見事に折られてしまった。シンはちっと舌打ちしてそれを忌々しそうに投げ捨てる。

既にデスティニーの武装はほとんど残っていない。
(俺の力…ヤツらの前では、こんな程度なのか、俺の力は…)
シンは前方で構えているジャスティスを睨んだ。胸部に自分がつけた傷があるが、大したダメージではない。

(かなわない…)

突然襲い掛かった苦い敗北感がシンの心にじわりと染みてきた。
地面を叩き、吼えるように泣き、叫んでも戻らない。あの辛さや苦しさから逃れようと欲した力が、砕かれた。
シンは俯き、シフトレバーを握り締めた。
(俺は、また…力に泣くのか…) 
しかし再び彼は顔をあげた。

―― いいや、違う!

「俺は…!」

デスティニーは右腕を突き出すとパルマフィオキーナを最大出力で充填し、掌が眩いばかりに輝き始めた。
真っ直ぐ向かってくるデスティニーを、アスランは一切避けなかった。
ビーム光が眼を貫いたが、それをサーベルで受け止める。両者は激しく反発し、力に干渉し、その衝撃が機体を襲ったが、どちらも引こうとはしない。
「ぐぅ…!」
「…くっ!」
シンはさらに出力を上げていき、アスランは力で押し返そうとする。
その光景を、機体を制御して戻ってきたルナマリアが見ていた。
あまりにも激しい光に、何が起きているのかわからなかったが、やがてそれがデスティニーとジャスティスだとわかると、ルナマリアは思わず両手で口を塞ぎ、声も出なかった。
(アスラン…?シン!!)
やがて、ジャスティスの力がデスティニーをわずかずつ押し始めた。
本体に直結しているパルマフィオキーナの方が機体へのダメージが蓄積しやすい。デスティニーの機関がついに悲鳴をあげ始めたのだ。
ジャスティスがサーベルを薙いだ瞬間、デスティニーの右腕は行き場を失ったエネルギーにより、二の腕部分まで巻き込んで爆発を起こした。
シンはその爆発の衝撃で弾き飛ばされ、シートに激しく体を打ちつけたが、気を失ったり戦意を喪失したりはしない。
「くそっ、まだだっ!まだやれるっ!」
シンはそのまま怒りの咆哮をあげながら、傷ついたデスティニーの右足で蹴りを繰り出した。
アスランはそれに対して同じく蹴りで応酬し、右足のブレイドでデスティニーの右脚部を切り落とすと、こちらも小爆発を起こした。
しかしシンは今度は左の掌を開き始めている。
アスランはシンのこの強靭な精神力に舌を巻いた。そして、自分の考えが間違いではないと改めて実感する。
「力があなたを強くしたんじゃない!」
アスランはくるくるとハルバートモードのサーベルを回し、脇に構えると呟いた。
「過去を克服し、信じたことを貫く…」
再びデスティニーが掌を繰り出し、ジャスティスもまた飛び出した。

「その強さこそが、あなたの力だと気づいて、シン!」

シンは右手のようにサーベルで受け止められないよう、左の掌を繰り出す瞬間に同時に左足を蹴り出していた。
ジャスティスは今度はシールドで突き出された掌を防ごうとし、同時に蹴り上げられた左足を勢いよくサーベルで斬り落とした。
その爆発の威力を利用し、シンは相手のシールドに右肩をぶつける。
(これで……終わりだ!)
またしても意表をつくタックルを受け、一瞬体勢を崩したジャスティスに、デスティニーが再び左腕を突き出した。
(なんて闘争心なの!)
アスランもサーベルを構え直し、デスティニーに向かって行く。
「やめてっ、アスラン、もうやめて!」
その瞬間、両者の間にインパルスが割って入った。
「ルナ!?」
勢いの止まらないシンは驚いて叫んだ。
「どけぇーっ!!」
「危ないっ!」
ジャスティスの前に立ちはだかったインパルスは、庇っているデスティニーに背中を向けている。
(インパルスのシールドが…ない!?)
シンはそれを見て驚き、焦りを隠せない。
「くっ…そぅ!!止まれぇーっ!!!!」
シンは咄嗟にパルマフィオキーナが最大にチャージされていた左拳を握り締め、左腕を無理やり曲げてインパルスを囲い込んだ。
そしてそのまま左腕で、振り下ろされたジャスティスのサーベルを受け止める。
アスランもまた、勢いを止めようと必死に制動していた。
ただデスティニーの腕を斬り落とすだけのつもりだった自分の太刀筋が、今は2人の命を危うくしているのだ。
(く…だめだ、止まらないっ…!)
アスランの脳裏に、ニコルが、そしてハイネが浮かんだ。
自分を庇おうとして死んだ仲間たち…そんな彼らと同じルナマリアを、自分が殺してはいけない。アスランは必死にスラスターを逆噴射し、パワーを散らそうとした。

このわずか数秒の事が、シンとアスランには永遠にも感じられた。
インパルスを庇ったデスティニーが背を向けると同時に左腕が斬り落とされ、ジャスティスのサーベルはデスティニーの翼に深くめり込んだ。
ウィングが斬られ、さらにはスラスターが損傷を受けて小爆発を起こす。破壊されたコックピットで、シンは細かい破片に襲われた。
「うわああああ!」
「シンッ…シンッ!!」
ルナマリアが悲痛な声をあげる。
アスランもためらわなかった。
素早くキャリーシールドのビームソードを展開すると、そのまま自分の右腕を斬り落とし、外へと弾き飛ばしたのだ。
「…うっ!」
かなり荒っぽく斬ったので駆動部が爆発を起こし、アスランもしたたかに身体を打ちけた。

サーベルを持ったジャスティスの右腕がちりちりとプラズマを散らしながら月の引力に引かれていく。
そしてすんでのところで致命傷を免れたデスティニーもまた、インパルスを庇ったまま白い月面へとゆっくりゆっくり落ちて行った。

アスランはそんな2人を、ただ黙って見守っていた。
PR
この記事にコメントする
Name
Title
Font-Color
Mail
URL
Comment
Pass   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

secret
制作裏話-PHASE50③-
DESTINYが始まる前の情報解禁は2004年7月…種の後番組「鋼の錬金術師」がリオールでクライマックスを迎えようとしている頃でした。
舞台は無印種の2年後で、主人公はオーブ出身のザフト軍人シン・アスカ。登場が決定している旧作キャラはオーブにいるアスラン・ザラとカガリ・ユラ・アスハで、キラ・ヤマトはそこにはいませんでした。
放映が始まると、この物語はシンとアスランを中心に紡がれていくんだろう、きっとこの2人が師弟関係を築いていき、そしてキラ・ヤマトといつどんな形で出会い、戦う事になるのか(OPで対決するみたいな絵があったからです)と、わくわくものでした。
それは話が進むごとに薄れていき、最後にはなんだかよくわからんがキラキラ病を発生した裏切り者の脱走常習犯アスランが、何一つ考える事も悩む事も発言する事もさせてもらえず、キラと議長の重要な対決シーンにも同席させてもらえないシンを圧倒してぶっ飛ばし、シンはベソベソ泣いて「おしまい」というポッカーン展開。
それでもまだTV版はそこで終わったからマシだったのです。FPでは…FPではアスランが彼らを助けるような余計なお世話シーンが付け加わり、シンはベソベソしながら爽やか笑顔のキラたまと握手するという史上最悪のシーンで締めさせられるという…

今思い出しても「コ ノ ウ ラ ミ ハ ラ サ デ オ ク モ ノ カ」とギリギリと怒りが沸いてまいります。カガリとシンの因縁も解決されず、ムウはちゃっかり元鞘に収まり、ラクスは議長に、キラは白服(はあぁ!?)になり、ミリアリアとディアッカは一切の救済がなく、アスランとカガリもなんだかよくわからないまま破局になっていました。
「最近、DESTINYを見返している」という不穏なツイートをしているF監督には、「DESTINYはいじらないで、ただ忘れてやってくれ」と逆転のネオみたいなことを言ってやりたいです。DESTINYリマスターとかマジいらんから。ホントやめて。お願い。頼む。

今回のアバンは「正義の敵は悪ではなく、正義である」という事実です。どんなに身勝手だろうか、自己中心的だろうが、どちらにも正義があるから譲れない。古代の王の「領地を殖やして富を独占したい」という欲望も、帝国時代の「植民地を増やし、土着民を奴隷にして富を得たい」という欲望も、「とにかく『これは俺のものだ!』とゴネてゴネてゴネておけば、バカで気弱な国は何もできないから貿易も交渉も全てうまくいくぜ」と北方領土をマネするアッチの国やコッチの国の大陸思想も、どれだけダメでもありえなくても、当事者にとっては正義となってしまうのです。軋轢はままならない事への怒りとなり、衝突は痛みを伴って憎しみとなり、やがて戦いが始まるのは世の常です。

本編と違い、逆転のアスランはシンがどんな想いを抱いて戦っているかをちゃんと知っている(PHASE36、37の改変はこのためです)からこそ、敢えて彼の前に立ちはだかる壁となる事を決める…これならグダグダな「似非師弟対決」も少しは見られるのではないかと考えました。

ストライクフリーダムがレジェンドと戦う間、エターナルへの攻撃は激しさを増し、ヒルダが被弾します。またアークエンジェルも残存のオーブ艦隊と合流したものの、肝心のアスランが来ないためにレクイエムを討つことができません。
そこに「俺が行く!」と名乗りを上げたのがムウです。私、本放映時は一瞬この意味がわからなかったんですよ。考えたらアカツキにはヤタノカガミ(ミラーコーティング)があるので、ジャスティスの実体シールドと同じく機体そのものがアンチビーム仕様なんですね。それをわかりやすくセリフで言ってくれよ!と思ったので、ここでは追いついてきたムウは「事情がわかっていない」とし、マリューから説明を受けるというように会話を膨らませました。これならキラとアスランは大好きだけどガンダムには詳しくない(=興味ない?)お嬢さんたちでも「なるほど、アカツキでもいいんだ」と思えるじゃないですか…ってか、だったらアスランいらねー!

本編でのインフィニットジャスティスとデスティニーのバトルは哀しくなるようなものでした。とにかくシンはアスランに全く歯が立ちません。わけのわからない説教をされながら全ての武装を剥がされ、最後は「バカ野郎!」と怒鳴られて斬られておしまい。インジャはもちろん、まったくの無傷です。

物語上負けることは仕方がない…しかし簡単には負けさせない!

このポリシーを元に、2人は戦い続けます。そもそもDESTINYはマルチレンジを想定しているっぽいですが、ビームサーベルや実体シールドがないのでなんとなく得意なのはミドルからロングレンジっぽい感じがします。つまりロングレンジ中心で大火力とスピードを武器にするストフリとは結構相性がいいんですね。まぁキラは接近戦になると結構容赦ないけど…
反面、インジャは投擲武器は一杯あるしサーベルは二本あるし、ビームブレードもてんこ盛りで近接戦闘が大好きなアスラン向き。本編では結局使わなかったグラップルスティンガーも使わせてみました。

戦いはやや押され気味ながら、シンは舌戦でも負けていません。アスランはシンがこの戦いが決して正しくないとわかっていると知って息を呑みます。
シンの拠り所は、いくら非道でも間違っていても、「平和な世界になるなら」貫くという信念です。これはどうしても与えてあげたかったんですよ。

それと同時に、オーブヘの複雑な感情が見え隠れします。これもアスランがシンの想いを理解しているからこそ生きてくるのだと思います。平和な世界になるなら、オーブがなくなったっていい…痛々しいこの言葉にこそ、アスランが本編で言った「過去に囚われるのはもうやめろ!」というセリフが生きると思うんですがねぇ…だって本編みたいに、シンの過去を何も知らないアスランにこう言われたって「ハァ?」じゃないですか。

逆転のアスランは幸せな過去を失って傷ついたシンを知っていますから、同じく過去を取り戻そうと戦った自分の軌跡と重ね合わせる事ができます。それで初めて「何も戻りはしない」と言えるんですよ。だってその思いについてもアスランはシンの先輩なんだもの。

シンが「本当に欲しかったもの」は、制作陣は恐らく「平和な世界」「かつての幸せな自分」「失った家族」などと言うのではないかと思いますが、本編ではシンは何も答えなかったし、そもそもこの2人の会話は会話になっていなかったので、改変を加えました。

もちろん、シンが求めているのは上記の「過去」です。(これは次の次のお話「対決」で、シン自身の口から明かされる演出にしてあります)
けれど逆転のシンなら、戦う事に躊躇せず、強くあろうとするシンならきっとこう答えるだろうというセリフ…そして、逆デスのテーマでもある「力」の意義を問うシーンへ繋げています。

家族を失い、無力さに泣いたシンは力を欲し、力を得ました。けれど今、自分を凌駕する力が立ちはだかっています。アスランもまた、シンが強いのは力を手に入れたからではないと諭します。キラの力の根源を理解し、ラクスが自分を評価してくれた事で、アスランもここにきてようやく成長できたわけです。遅っ!

アスランがアロンダイトの一撃を受け止めるのは、自分に対したくさんのサインを出していたシンに何も答えられず、結果的に見捨てた形になって討たれた時の再現です。いわばこれは過去の清算です。

けれどここでシンは機転を利かせ、実体シールドを破壊しようとします。キャリーシールドを破壊されてはレクイエムにたどり着けません。まぁ実際にはムウがいるのでアスランはいらない子なんですけど、ここはシンの戦闘巧者ぶりを示すために、決まりそうになった戦局を逆転し、力づくで引き戻しました。

けれどアスランもただでは退きません。畳みかける攻撃でアロンダイトを折ります。なぜか折れた大剣をマウントし、そのまま敗北まで折れた剣を担ぎっぱなしのデスティニーは哀しいくらい格好悪かった(いらねーだろ、それ!)ので、ここはしっかり改変しました。

これによって、本編にはないシーンとしてシンがアスランに(かなわない)と弱気になるシーンを入れました。これはシンが賢くクレバーな軍人だからこそ、的確な戦力分析をした「証」にもなります。けれど力に屈するわけにはいかない…「力には力」と思っているシンは、より力ある者(キラ)を選んだアスランに負けるわけにはいかないのです。

そんなシンにアスランも最後の対決を挑みます。同時に、アスランはここでシンの力が一体何なのかを示します。
シンが強いのは、力があるからではない。シンにはもともと「信じ抜く力」「やり通す力」があるから強いのだという、まさに「逆転」の発想です。
過酷な過去だけでなくシンに重度の適応障害を持たせ、けれどそれらを一つずつ克服する姿を描写する事で、「シンの強さ」を表現してきたので、ここでやっとたどり着けた逆デスの結論でした。
私は何も語らず、全てを感じろという作品がどうも好きになれないので(無論、力量のある監督の手にかかればそれが演出として素晴らしい効果を上げる事もあると認めた上で)、ここははっきりと自分の意図を表示しました。

けれどここで大きなアクシデントが起きてしまいます。
戦う二人の間にインパルスが割って入り、勢いづいた両者は刃を収める事ができません。

さぁここであの最低最悪の展開を見せた本編を大改変です。

まずは本編ではシンの心を逆撫でするように「アスランを庇った」インパルスは、逆転では当然「デスティニーを庇い」ます。当たり前ですよ。搭乗者はシンで、しかもこの時点でデスティニーは武装はもちろん、手も足ももがれちゃってるんですから、ルナマリアが庇うのは彼氏の機体に決まってます(なんで本編のルナマリアはガンダム史上最低のうんこ女、ニナ・パープルトンになっちゃったのかなぁ…しかもアスランの恋人ですらない上に、アスランはガトーと違ってピンピンしてたし武器も構えてたのに)

「どけぇ!」と叫ぶのは本編と同じでも、シンは必死に制動をかけます。なぜならルナマリアは直前のジャスティスとの戦いでシールドを捨ててしまっているので、アスランのサーベルから身を守る術を持っていないと気づいたからです。こうしてシンの冷静さを演出すると同時に、彼がルナマリアを守るために動いたとしました。パルマフィオキーナの威力を殺すために拳を握りしめ、機体を反転させてインパルスを守ります。

一方ジャスティスのサーベルはデスティニーの機関を傷つけ、シンは結果的に敗れ去ります。けれど少なくとも「ルナマリアを殺そうとした」という形にはせずに済んだと思うのですが…実際はデスティニーの勢いが止まらなかっただけなんですけど、この頃はネットでのシンへの感情がもはや悪意の域に達している人が多かった上に、アスランがこれまたそれを見て「この、バカ野郎!」と怒鳴って蹴り上げ、斬りまくったのでこう言われてしまったんですよ。
ここを本編どおりやるなら、アスランが身を挺して(少々のダメージを受けてでも。インジャは本編ではストフリ同様全くの無傷でしたからね!)インパルスを庇った上で「この、バカ野郎!」とシンを斬ったなら、本編の展開も意味があったと思います。それでこそ導き手ですよ。そしてルナマリアに「行ってやってくれ」と言ったらすげー格好よかったと思うんですけど。

さて逆転に戻ります。
ルナマリアがシンを庇ったこの時、アスランは自分を庇って死んでいった仲間たちを思い出します。ニコル、ここでの回想はいつもの無駄死にじゃないよ!二人を守るため、アスランもまた捨て身の行動に出ます。
本編のインフィニットジャスティスが無傷で、アスランが何の痛みも伴っていないのが不満だったので、ここでアスランにはサーベルを持つ自身のマニピュレーターを斬り飛ばさせたのです。ちなみにこの後はレクイエムの掃討のみで大した戦闘はないので、インジャなら右腕くらいなくても大丈夫です。

シンを守ろうと、尊敬する人の前に立ちはだかったルナマリア。
「必ず守る」と約束したルナマリアを守りきったシン。
そして大切な部下を傷つけまいと自らの身を削ったアスラン。

もし本編が少しでもこんなテイストを残していたなら、私も8年も前の作品に未だに傷つけられ続ける事はなかったでしょうね…
になにな(筆者) 2012/08/20(Mon)22:06:02 編集
Natural or Cordinater?
サブタイトル

お知らせ
PHASE0 はじめに
PHASE1-1 怒れる瞳①
PHASE1-2 怒れる瞳②
PHASE1-3 怒れる瞳③
PHASE2 戦いを呼ぶもの
PHASE3 予兆の砲火
PHASE4 星屑の戦場
PHASE5 癒えぬ傷痕
PHASE6 世界の終わる時
PHASE7 混迷の大地
PHASE8 ジャンクション
PHASE9 驕れる牙
PHASE10 父の呪縛
PHASE11 選びし道
PHASE12 血に染まる海
PHASE13 よみがえる翼
PHASE14 明日への出航
PHASE15 戦場への帰還
PHASE16 インド洋の死闘
PHASE17 戦士の条件
PHASE18 ローエングリンを討て!
PHASE19 見えない真実
PHASE20 PAST
PHASE21 さまよう眸
PHASE22 蒼天の剣
PHASE23 戦火の蔭
PHASE24 すれちがう視線
PHASE25 罪の在処
PHASE26 約束
PHASE27 届かぬ想い
PHASE28 残る命散る命
PHASE29 FATES
PHASE30 刹那の夢
PHASE31 明けない夜
PHASE32 ステラ
PHASE33 示される世界
PHASE34 悪夢
PHASE35 混沌の先に
PHASE36-1 アスラン脱走①
PHASE36-2 アスラン脱走②
PHASE37-1 雷鳴の闇①
PHASE37-2 雷鳴の闇②
PHASE38 新しき旗
PHASE39-1 天空のキラ①
PHASE39-2 天空のキラ②
PHASE40 リフレイン
(原題:黄金の意志)
PHASE41-1 黄金の意志①
(原題:リフレイン)
PHASE41-2 黄金の意志②
(原題:リフレイン)
PHASE42-1 自由と正義と①
PHASE42-2 自由と正義と②
PHASE43-1 反撃の声①
PHASE43-2 反撃の声②
PHASE44-1 二人のラクス①
PHASE44-2 二人のラクス②
PHASE45-1 変革の序曲①
PHASE45-2 変革の序曲②
PHASE46-1 真実の歌①
PHASE46-2 真実の歌②
PHASE47 ミーア
PHASE48-1 新世界へ①
PHASE48-2 新世界へ②
PHASE49-1 レイ①
PHASE49-2 レイ②
PHASE50-1 最後の力①
PHASE50-2 最後の力②
PHASE50-3 最後の力③
PHASE50-4 最後の力④
PHASE50-5 最後の力⑤
PHASE50-6 最後の力⑥
PHASE50-7 最後の力⑦
PHASE50-8 最後の力⑧
FINAL PLUS(後日談)
制作裏話
逆転DESTINYの制作裏話を公開

制作裏話-はじめに-
制作裏話-PHASE1①-
制作裏話-PHASE1②-
制作裏話-PHASE1③-
制作裏話-PHASE2-
制作裏話-PHASE3-
制作裏話-PHASE4-
制作裏話-PHASE5-
制作裏話-PHASE6-
制作裏話-PHASE7-
制作裏話-PHASE8-
制作裏話-PHASE9-
制作裏話-PHASE10-
制作裏話-PHASE11-
制作裏話-PHASE12-
制作裏話-PHASE13-
制作裏話-PHASE14-
制作裏話-PHASE15-
制作裏話-PHASE16-
制作裏話-PHASE17-
制作裏話-PHASE18-
制作裏話-PHASE19-
制作裏話-PHASE20-
制作裏話-PHASE21-
制作裏話-PHASE22-
制作裏話-PHASE23-
制作裏話-PHASE24-
制作裏話-PHASE25-
制作裏話-PHASE26-
制作裏話-PHASE27-
制作裏話-PHASE28-
制作裏話-PHASE29-
制作裏話-PHASE30-
制作裏話-PHASE31-
制作裏話-PHASE32-
制作裏話-PHASE33-
制作裏話-PHASE34-
制作裏話-PHASE35-
制作裏話-PHASE36①-
制作裏話-PHASE36②-
制作裏話-PHASE37①-
制作裏話-PHASE37②-
制作裏話-PHASE38-
制作裏話-PHASE39①-
制作裏話-PHASE39②-
制作裏話-PHASE40-
制作裏話-PHASE41①-
制作裏話-PHASE41②-
制作裏話-PHASE42①-
制作裏話-PHASE42②-
制作裏話-PHASE43①-
制作裏話-PHASE43②-
制作裏話-PHASE44①-
制作裏話-PHASE44②-
制作裏話-PHASE45①-
制作裏話-PHASE45②-
制作裏話-PHASE46①-
制作裏話-PHASE46②-
制作裏話-PHASE47-
制作裏話-PHASE48①-
制作裏話-PHASE48②-
制作裏話-PHASE49①-
制作裏話-PHASE49②-
制作裏話-PHASE50①-
制作裏話-PHASE50②-
制作裏話-PHASE50③-
制作裏話-PHASE50④-
制作裏話-PHASE50⑤-
制作裏話-PHASE50⑥-
制作裏話-PHASE50⑦-
制作裏話-PHASE50⑧-
2011/5/22~2012/9/12
ブログ内検索



Copyright (C) 逆転DESTINY All Rights Reserved.
Powered by NinjaBlog | Template by 紫翠

忍者ブログ | [PR]